ファーレンでは海藻を食べるという習慣はない。
食べられるというのは知っているが、見た目から美味しそうに見えないので進んで食べる者はあまりいないのだ。
故に、食卓にあがることもあまりないのが現状で、エヴァンも訝し気におにぎりを眺めている。
しかし、ザックは別だ。
アーシェリアスが作る料理は変わっているが、食べてみると美味しいというのを知っているので、躊躇うことなくパクリと齧り付いた。
「んむ……うん……んまい。握る時につけた塩が米の甘味を引き立ててる気がする」
「海苔はどう?」
「磯の香りがするけど、うまみがあるし嫌じゃないな。米に合う」
そう言ってもう一口と口を開ける横で、ノアもおにぎりを味わい飲み込んだ。
「本当美味しい! ライスバーガーも美味しかったけど、これは優しい味でまた好きだなぁ」
もぐもぐと舌鼓を打つふたりの様子を見て、最初は警戒していたエヴァンも「では自分も」と食べ始め……カッと目を見開く。
「けしからん美味さだ! 米とはこんなにも美味いものだったのか」
「どんな素材も、調理の仕方と愛情で美味しくなるんですよ」
エヴァンにも気に入ってもらえて安心したアーシェリアスは、ザックの握った不恰好なおにぎりを手に取る。
食べられるというのは知っているが、見た目から美味しそうに見えないので進んで食べる者はあまりいないのだ。
故に、食卓にあがることもあまりないのが現状で、エヴァンも訝し気におにぎりを眺めている。
しかし、ザックは別だ。
アーシェリアスが作る料理は変わっているが、食べてみると美味しいというのを知っているので、躊躇うことなくパクリと齧り付いた。
「んむ……うん……んまい。握る時につけた塩が米の甘味を引き立ててる気がする」
「海苔はどう?」
「磯の香りがするけど、うまみがあるし嫌じゃないな。米に合う」
そう言ってもう一口と口を開ける横で、ノアもおにぎりを味わい飲み込んだ。
「本当美味しい! ライスバーガーも美味しかったけど、これは優しい味でまた好きだなぁ」
もぐもぐと舌鼓を打つふたりの様子を見て、最初は警戒していたエヴァンも「では自分も」と食べ始め……カッと目を見開く。
「けしからん美味さだ! 米とはこんなにも美味いものだったのか」
「どんな素材も、調理の仕方と愛情で美味しくなるんですよ」
エヴァンにも気に入ってもらえて安心したアーシェリアスは、ザックの握った不恰好なおにぎりを手に取る。



