「はぐれたと思ってるみたいだけど。クソポジティブなマンゴー中毒騎士だね」
「そこの少女! 俺の名はマンゴーでなくエヴァン・クラークだ」
はいはいと軽く流すノアと、はいは一回だと注意するエヴァン。
ザックは仕方なさそうにアーシェリアスに確認をとる。
「騒がしいのが増えるがいいか?」
「私は大丈夫。賑やかになってきっと旅も楽しくなるし」
言い終えると同時、アーシェリアスはお弁当箱の蓋を外して「さあ、食べましょう!」と促した。
中身がどんなものか知らなかったエヴァンはぎっしりと詰まった変わった料理に目を丸くする。
「なんだ、これは」
エヴァンがパッと見てわかるものは、そのまま入っている彩り用に入れたプチトマトとバラン代わりのサニーレタスくらいで、他は見たこともない料理だ。
ザックとノアは一緒におにぎりを作ったのですでに中身を確認はしているものの、興味深げに覗いている。
「まずは、ザックとノアちゃんが一緒に作ってくれたおにぎりから」
どうぞと言いながらみんなにおにぎりを渡すと、エヴァンが首を傾げた。
「この貼り付いてる黒いのはなんだ?」
「これは焼き海苔といって、食用の海藻を加工して作ったものなんです」
「海藻がこんな風になるのか」



