破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

黙れと命令されていたエヴァンはそのやり取りを静かに見守っていたのだが、堪えきれずに「くぅっ!」と声を漏らした。


「マンゴーレディ……! 君は素晴らしいレディだな!」

「いえ、そんな。でも、ありがとうございます。あと、私の名前はアーシェリアスです」


照れながらも名前の部分だけは訂正したのだが、大きく深呼吸してしんみりしそうになっていた気持ちをリセットしたノアがスッキリとした顔をザックに向ける。


「よっし。マンゴーレディがいいなら、ボクもいいよ。ていうか、今さら王子とか言われても言葉遣い変えるとかちょっと面倒だしねっ」

「ちょっとノアまでやめてくれる?」

「ありがとう、ノア。マンゴーレディも、改めてよろしく頼む」

「いや本当にそのあだ名やめて」


ザックまで悪ノリし、アーシェリアスをからかう。

ノアが笑って、ザックが笑みを零すとアーシェリアスもクスクスと肩を揺らした。

エヴァンはザックが楽しそうにしているのを見て、「アイザック様が! アーサー様以外の者に笑顔を!」と感動し目頭を押さえていた。