破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

顔を見たことはない為、皆からミステリアス王子と呼ばれている第二王妃の一人息子。

ファーレン王国第四王子、アイザック・ジェセ・ファーレン。

気づいてしまえば問わずにはいられず口を開く。


「ザック、もしかして第四王子様なの?」


そんなわけがないと返ってくるはずだと、確信が持てないのは全ての辻褄が合うからだ。

ザックが自由を願っていた話も、アーシェリアスの父を説得できたことも、何の弊害もなくアルバートとの婚約破棄が叶ったことも。

問われたザックの瞳が戸惑いに揺れる。

すぐに否定しないことで、ほぼ答えは決まったも同然だった。

答えたくないのなら仕方がない。

答えられない理由があるのかもしれない。

そう考えて、話題を幻の食材へと切り替えるつもりだったのだが、エヴァンがハッハッハと大きな声で笑った。


「もしかしてではなく、王子だ! アイザック様はどこからみてもファーレンの高貴な王子だろう!」

「だから余計なことを言うなと言っただろ!」


さらりとバラしたエヴァンの頭を鞘で叩いて声を荒げるザックの反応に、ノアが驚き瞬きを繰り返す。