破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします

あまりの大きさにノアが、「に、逃げるが勝ちじゃない?」と踵を引いたのだが、そうはさせまいと言うようにサイクロプスが雄たけびをあげた。

「やるしかないか」とザックが松明を地面に放り、アーシェリアスは戸惑う。


「こんな大きいのどうやって倒すの!? 作戦は!?」


もしかしたらサイクロプスに勝利できる策があるのかと期待して隣に立つザックに問いかけたのだが……


「命を大事に、だ!」

「それどっかで聞いたことあるやつ!」


ドラ◯エを知らないはずのザックが口にしたのは偶然か。

むしろ命を大事には生きていればなんとかなる究極の作戦なのでありはありだが、無策に戦うのはあまりにもやばそうな相手でアーシェリアスは走り出したザックをハラハラしながら見守る。


(私にもできることしないと……!)


サイクロプスの身長は高い。

アーシェリアスの二倍以上は間違いなくある。

カプロスの時のように小麦粉で目くらましをし、強靭な太い足をザックが切りつけたとしても致命傷にはならず居場所はバレてしまうだろう。

何より足を払おうものなら空気中の小麦粉も散らされてしまう。

だとすれば、狙うは目ではなく鼻。

役立つのもうひとつの方で勝負するしかないとアーシェは肩から下がる鞄に手を突っ込んだ。