校長先生の話も、ほかの先生の話も、 何一つ頭に入ってこなかった。 ただただ楓のことしか考えることが出来なくて、 頭が真っ白になっていた。 「では、挨拶が全員終わりましたので、 これからは自由にどうぞ。」 私はとりあえずクラス表を出して、 クラス全員の名前を頭に叩き込んだ。 今日はこれくらいでいいか、というくらい仕事をこなして、お疲れ様ですと 皆に声をかけて行きと同じように外に出る。 すると、学校の傍にあるコンビニに、楓が座っているのを見つけた。 声をかけようと、近付いたその時。