それにしても裸足で砂浜を歩くのが、こんなにも気持ちいいとは知らなかった。それに真史さんが言う通り、とても歩きやすい。
でも歩きやすいのには、もうひとつ理由があって。砂に足を取られてバランスを崩しそうになっても、真史さんが上手くカバーしてくれている。だから私は転ぶことなく、砂浜の上を安心して歩いていられるのだ。
「海に来るのなんて何年ぶりだろう。実は私、雨女なので心配だったんですけど、天気も晴れてよかったです」
「俺が強烈な晴れ男だからな。今までイベント事や大事な場面で、雨が降ったことは一度もない」
ニヤリと笑い自信満々な顔でそう言い放つ真史さんを見て、大きくうなずく。この笑顔を見れば雨雲だって誰だって、恐怖におののくに違いないと。
ふたりで波打ち際を、白亜の灯台に向かって歩く。
「朱里は、この場所に来たことあるか?」
「えっと、ないです。近くの海水浴場に行ったことはあって灯台のことは知ってるけど、来たのは初めてで」
「そうか。じゃあ、あそこ……」
真史さんがそう言って、指差した方に目を向ける。


