偽装結婚ならお断りです!? ~お見合い相手はイジワル社長~


 わわ、わわわわ、私が可愛いぃーーーっ!?

 どこをどう見たらその言葉が出てくるのか。真史さんって本当におかしな人だ。

 でも今の“可愛い”に深い意味なんてないとわかっているのに、顔がフニャッと緩んでしまう私もどうかしている。

「朱里は海と山、どっちが好き?」

 唐突にそう聞かれ、緩んだ顔を真顔に戻す。

 こんなとき、どう答えるのが正解なんだろう。

 今どきの女子なら『真史さんと一緒なら、海でも山でもどっちでもいいですぅ』なんて、可愛く答えるのかもしれないけれど。

 私には無理。今さら真史さんの前で、カワイ子ぶっても仕方がない。

「そうですね。どちらかと言えば、海ですかね。海の幸は大好物ですし、メニューの参考にもなりますから」

 私は私らしく、嘘をつくより本音が一番。色気より食い気だ。

「そういうと思ったよ。まさに朱里らしい選択だな。まあ俺も朱里がそう言うと思って、勝手に海でプランを立てていたから、今さら山とか言われても困るけどな」