どうやら本当に、嫌われてはいないみたいだ。それはそれで良かったけれど……。
ほんと今日の逢坂社長は、やっぱりどこかおかしい。でもそれは、私も同じみたいで。
相手が私だからかしこまる必要もないとか相変わらず口は悪いけれど、なぜだか今は嫌な気持ちはしない。それどころか食べている姿を見て、笑顔もないのに美味しそうと感じるんだからおかしなものだ。好きの欲目、なんだろうか……。
なんて、どうでもいいことを考えたりして。
どうせお見合いが終われば、社長と一従業員に戻る関係。何もなかったように時が進むだけ。だったら今はこの時間を楽しんで、美味しい料理を堪能するのが一番だ。
「……高坂。おい高坂、何ボーッとしてるんだ?」
「え? あ、はい。なんでしたっけ?」
「別に、まだ何も言ってない。早く食えよ、じゃないと話ができない」
「話、ですか?」


