偽装結婚ならお断りです!? ~お見合い相手はイジワル社長~


 悔しいけれど、目に薄っすら涙がにじむ。

「どうした。腹が減って、言い返すこともできないのか?」

 イジワルなこと言う人だと思っても、やっぱり言い返すことができないでいた。

 二日前のクッキーのときも『太るぞ』とかズケズケ言ってくるし、社長の私に対するイメージは、“よく食う”だけなんだろうか。

 これって絶対、女として見られていない証拠だよね。私の逢坂社長に対する淡い恋心も、一瞬で木っ端微塵だ。

「社長、すみませんでした。最初から今日のお見合いの相手が社長だとわかっていれば、お断りしていたのに……。でも社長も、相手が私だって知らなかったから、ここに来たんですよね?」

「それは、どういう意味だ?」

「どういう意味も何も、社長は私のことが嫌いじゃないんですか?」

「はあ!? なんで、そうなる?」

 はあ!?とか、しらばっくれたって無駄なんだから。

「だって私が考えたメニューに、いつもいちいち文句つけるじゃないですか!」