お見合いなんて、断ればよかった……。

 恋より仕事、色気より食い気。

 私にはやっぱり、恋愛は向いてないのかもしれない。

 それでも今さらお見合いをやめるわけにもいかないし、数時間のことと腹をくくるしかなさそうだ。

「そろそろ時間ね。移動しましょうか」

 愛子さんにそう促され、目の前にあるオレンジジュースを飲み干す。小さく息を吐き呼吸を整えると、「はい」と立ち上がり愛子さんに笑顔を向けた。