今は仕事も正念場。頭の中は新作メニューのことでいっぱいで、他のことを考える余裕はない。お見合いはチャチャッと終わらせて、イエスかノーかはそのあと考えればいい……。

 寝ぼけ眼で時計を見る。まだ夜の十一時前。

 普段ならまだまだ元気な時間なのに、今日は精神的に疲れたからか眠気が早く襲ってきたみたいだ。

 お疲れ様、自分──。

 心の中でそう言葉を掛けると目をつぶり、疲れた体を癒やすように深い眠りへとついた。