今でこそ職場は男性が多く、そこそこ話せるようにはなったけれど、どちらかと言えば会話は苦手。仕事以外の話では、会話が膨らまないのが現状だ。
「今回のお見合い相手の方は、最近勢いに乗っている会社の社長さんなのよ」
「ええっ!? 社長さんって、その人いくつなの?」
社長といえば世間一般的に考えて、五十歳以上のオジサンのイメージしかない。百歩譲ってお見合いをするにしても、さすがに五十歳過ぎのオジサンは遠慮したい。
でも愛子さんの口から飛び出したのは、思っても見なかったものだった。
「三十二歳よ。若くして社長になるような人だもの、きっと素敵な人に違いないわよ!」
愛子さんはそう太鼓判を押し、私にグイッと詰め寄る。
たしかに三十二歳で社長はスゴい。なかなかなれるものじゃないと思う。
でも私は、社長と結婚したいわけでも、相手の肩書を気にしているわけでもない。


