わけがわからない。嗚咽を我慢して歯を食いしばっているから、頭が割れそうに痛くなってきた。
「なんで、こんな大事なときに……」
そうだ。今日からの一週間は、会社にとっても私にとっても大事な一週間。どんなに辛いことがあっても、仕事を疎かにすることはできない。中途半端な気持ちでは、みんなに迷惑をかけてしまう……。
もう一度歯を食いしばり、辛くて悲しい気持ちをぐっと飲み込む。それを胸の奥深くまで押し込むと、深い呼吸を繰り返す。
とにかく今は、真史さんのことよりも仕事優先。新店舗のことを一番に考えて、集中しなければ。
涙を拭い呼吸を整えると、むっくりと立ち上がる。勝手に出てしまうため息をなんとか閉じ込め、キッチンを後にした。
あっという間に三日が過ぎ、研修も四日目に差し掛かっている。仕事以外のことは一切考えず集中して──そう思っていたけれど、なかなかうまくいかなくて。ちょっと気を抜くと頭の中に真史さんの顔を思い出してしまい、それを何度もかき消した。
さすがに結婚となると、ショックが大きすぎる……。


