偽装結婚ならお断りです!? ~お見合い相手はイジワル社長~


 冗談なのか本気なのか。大袈裟な言い方だけど、悪い気はしない。それどころか運命で出会ったのなら、私と真史さんのこの先の運命も……なんて勝手な妄想をしてドキドキしてしまうから困惑してしまう。

 何考えてるんだろう、私──。

「運命……なんて、あるんですかね?」

「朱里は感じたことないのか、運命」

 テーブルの向こうから伸びてきた手が、くしゃくしゃっと私の頭を撫でる。

 今日何度目かのスキンシップだが、彼氏って皆こんなことをするの? だとしたら、これはこれで悪くない。顔がニヤけそうになってしまう。

 どうしよう。偽りの恋人なのに、彼女というポジションが気持ちよくなってきた。

 でも思い上がっちゃダメ。運命があったとしても、今回は信じるだけ無駄。これはあくまでも、偽装恋愛なんだから……。

 心の中でそう自分に言い聞かせていると、頼んだ料理が運ばれてきて、この話は終わりを告げた。