「う~ん、どうするつもりだったんでしょう。何故かわからないんですけど、採用される自信があって。不採用になるなんて思ってなかったから、何も考えてなかったような……」
ダメだったとしても次がある──くらいに考えていたのかもしれない。
とにかく、何年掛かってでもプレジールで働きたかった。子供からお年寄りまで、多くのお客様に自分の提案したメニューを食べてもらいたい。それが自分の糧になって、新メニューを生み出していく。
今はその夢が叶って、順風満帆とはいかないけれど、前に向かって突き進むことが出来ている。
「真史さん、あっ、社長のおかげですね」
「俺の?」
真史さんは驚いたように目を見開き、でもそれも一瞬で、ふっと穏やかに微笑んだ。
「朱里がプレジールで働くことになったのは、運命だな」
「運命……」
さっき同じフレーズを思い出していただけに言葉を失う。
「朱里はプレジールで働くために生まれて、俺と出会うべくして出会った。これを運命と言わず、他になんと言えばいいんだ?」
問うように顔を覗き込まれる。真史さんの目が、イジワルに揺れている。


