「 そっかー東京かー 」


「 ユキは北海道だっけ 」


「 まぁ、うん、 」



初めて志望校をお互いにいいあいっこした時、

冬が嫌いなのに、雪が嫌いなのに、また随分の寒い所に行くものだ、と思った。




「 離れ離れになっちゃうね 」


「 そうだな 」




お互い合格したら、離れ離れになるねってふざけてたあの時よりも物理的距離の大きさがリアルになって、だいぶ苦しいよ、




「 ユキ、 」




2、3歩先で立ち止まって振り返ったユキに、私は何を言おうとしたのだろう。



「 なんもない、 」



ゆるりと笑ってれば、きっと、忘れられる。

そう思った。なのに。