そんな私をユキは見たことも無いくらい不安げな表情で見つめている。
そんな悲しげに瞳を揺らさないで、
「 あのね、私もこれ、どうしてもユキに見て欲しくて。 」
さっきカバンの中に丁寧に入れたばかりの封筒を取り出して、ユキに手渡した。
「 これ、 」
「 うん、合格発表。 」
私がユキに渡した封筒の表面の下側には、以前からユキには行きたいと話していた東京の国立大学の名前が印字されてあって。
それを震える指で受け取ってくれたユキの丁寧な動きをひとつずつ目で追った。
だって、あと何回ユキとこうして向き合っていられるか分からない、
「 おめでとう、 」
そう笑うきみをあと何回見れるかわからない。
「 ありがとう、 」
お互い涙目のままどちらともなく歩き出した。
送って貰うことは何回もあっても一緒に行くのは初めてレベルに少ない。