「 ひとりで飽きもせずペラペラと… 」
そう呟きながら変わらずにそこにあった小日向の存在に口元が緩むのはもはや条件反射みたいなもので。
勉強机に置いてあるカレンダーを横目に見て、
「 次に会えんのは… 」
卒業前最後の登校日だ。
てかなんだよ、送信を取り消しましたって。
何言おうとしたんだよ、
次会ったら教えてくれよ、なぁ、サクラ。
君がくれたもうひとつの夏が頭から離れない。
サクラなしで雪の降る冬を乗り越えられたのも、
サクラのくれた夏のおかげだなんて矛盾しているかもしれない。
結局のところはさ、
きっと、俺はサクラなしじゃ生きられないってことだよ。
なぁ、責任取って、
ごめんの後が、どうか俺と同じでありますようにと、君のくれた永遠の夏に願った。