「俊、行くぞ」


「うん!」


じゃ、言っといてねーー


真美に俊さんはそう言い教室から離れる。


「祐さん…」


「ん?」


今までで一番の優しい笑顔で私を見た。


涙でぼやける私の目でもわかるくらいに。


「ありがと…ございます…」


「ううん。ほら、もっと捕まって」


私の手を自分の首に回し、もう片方の手は


ブレザーを掴ませる。


「桃香ちゃん、本当怠そうだな…」