目を開けても閉じても聴こえていた。
カエルやコオロギの鳴き声は、
車や人に変わり、
薄明るかった月明かりは、
街のネオンにかき消されて。
目を閉じると、
熱く、恐ろしく、チカチカとした悪魔か天使かが
ずっと話しかけてくる。
「こっちへおいで。」と手招きをしている。
目を開けると、遮光カーテンを閉め切って
真っ暗な部屋。
「こっちへおいで。」の声だけが聞こえる。
目を閉じると、
"子供の頃"が周りを渦巻いて、
遠に涙を失った目頭を熱くする。
やっと布団から出た身体は大きくはなっているが
空っぽのようで、
諦めきった心も一緒に空っぽのようで。
誰が迷惑を被るかなど考えてはいない。
喉の渇きを癒すような、浮いた話の1つもない人が
悪魔か天使かの手招きに、声に、つられて
今日もまた。
暗い寝室に軋む縄。
電車は一時運転見合わせ。
カエルやコオロギの鳴き声は、
車や人に変わり、
薄明るかった月明かりは、
街のネオンにかき消されて。
目を閉じると、
熱く、恐ろしく、チカチカとした悪魔か天使かが
ずっと話しかけてくる。
「こっちへおいで。」と手招きをしている。
目を開けると、遮光カーテンを閉め切って
真っ暗な部屋。
「こっちへおいで。」の声だけが聞こえる。
目を閉じると、
"子供の頃"が周りを渦巻いて、
遠に涙を失った目頭を熱くする。
やっと布団から出た身体は大きくはなっているが
空っぽのようで、
諦めきった心も一緒に空っぽのようで。
誰が迷惑を被るかなど考えてはいない。
喉の渇きを癒すような、浮いた話の1つもない人が
悪魔か天使かの手招きに、声に、つられて
今日もまた。
暗い寝室に軋む縄。
電車は一時運転見合わせ。


