帰り道。偶然、悟くんに会った。

手にしてたのは、コーヒーだった。これは偶然の連続なのか…なにか関係が…。

そんなわけないか。
だって、はじめましてさんだし。

でも、気になって仕方がない。
自分の家に行けば何かわかるかもと思って、飛ぶように飛んで帰った。

部屋はそのまま残されていた。

手がかりがあるとすれば、写真とか日記だと目星をつけ、探してみた。

悟くんに関するものはやっぱりなくて、勘違いだったみたい。私が一方的に気になってただけ。
べ、別に好きとかじゃなくて、気になってるだけ。そう言い聞かせた。

今誰かを好きになったら、後悔で溢れてしまう。


本気で好きになること。
それは素晴らしいことだと思う。

誰になんて言われても、好きなものは好き。
それでいいと思ってる。認められなくてもわかってもらえなくても構わない。
誰かのためではなく、自分自身が心底思ってることだから。

人生の試練のひとつとして、自分にどれだけ正直になれるか試されてるんだと思う。

私は私自身に嘘をつきたくない。

それが本当の私なのだから。