でも俺も負けてない。十六年間幼なじみやってきて、今さら怖いとか全然ないし。



迫力あるな、とは思うけど。



「だから美香子はどこ居んのって聞いてんだろ。そっちこそ答えろよ!!」



「い・や!!アタシはこれ以上アンタみたいなバカ男に友達が傷付けられるのが嫌なの!!」



「俺だって美香子の友達だし。だから今からさっきのこと謝りたいから美香子が居る場所聞いてんだろ!!」


教室の入り口で大きな声で怒鳴り合っていたので、いつの間にか俺たちはクラスの生徒や廊下にいた生徒から注目されていた。



「謝るって言ったって、どーせヘラヘラして軽く謝るつもりなんでしょ!!そんなのアタシが許すわけないでしょ!!」



ちょっと今のはイラッてきた。めぐみはいったい十六年間俺のどこを見て来たんだ?



「何言ってんの?めぐみはいったい、俺をなんだと思ってんの?」



少し声のトーンが落ちた俺に、めぐみは少し勢いをなくす。



「っそれは、バカだって思ってるだけだし!!」



「めぐみ!!」



遠くからバタバタと足音が聞こえて来たと思ったら、勝矢だった。



「めぐみ、お前言い過ぎ。悠太だって美香子のこと気にしてんだから」