「先生っ!!俺美香子に謝るよ!!」



いきなり大きな声を出して、椅子から立ち上がった俺に驚いてか先生は今しがた飲んでいたコーヒーを溢した。



「あっつ!!え、美香子ちゃん?櫻井くんの好きな子って温田美香子さん?」



やべ、勢いあまって美香子の名前出してしまった。学校の先生に好きな子バレるとか最悪。



「そーだけど…」



「ってことは、美香子ちゃんが元カレのこと吹っ切れてないってことは聞いたわよね?」



「?」



「美香子ちゃんの元カレって…あ、アタシ美香子ちゃんの義理のお姉さんなんだけど」



何?いったい何、先生っ!!ってか、先生は美香子の義理のお姉さんだったのね…つか、それ必要なことなの?



「先生?」



「これは勝手に言っていいのか分からないけど…櫻井くんが美香子ちゃんのこと本当に好きなら、美香子ちゃんのこと助けてくれるなら話すわ」



やけに深刻な顔で話す先生。俺は不純な動機で美香子のこと好きになったけど、この気持ちは本気だよ。



「信じて、先生」



先生は頷き、口を開いた──



「美香子ちゃんの彼氏…2年前に亡くなったの…」