時計の針を左に回したら。

次の日、私はユッキに聞いた。

「ねえ、名前なんて言うの?」

「いまさら?みかっち私の名前知らないの?」

「何言ってるの?あいつの名前」

「あいつって誰?」

「あいつはあいつよ」

「だから誰?」

ユッキは本当ににぶい。

「だからあいつ、サッカー部の」

「ああ、久保君のこと?」

「久保君、それで下の名前は?」

「なになに?みかっちも気になるの?」

「いいから」

「わかったってば。翔だよ、かける」