偽のモテ期にご注意を


昨日の事を何度思い出そうとしても、全く思い出せないままリビングのソファーに隣りあわせで座っている。

「あの・・昨日何がありました?」

肉体関係が有った事は分かるが、その経緯が全く分からず悶々としてしまう。

「昨日俺が琥珀に行った時、貴女はマスターに絡んでいました。
俺が横に座ったら俺に対して絡んできて」

『うわぁ面倒くさい事しちゃったんだ』

話が始まった段階でもう、土下座したい気持ちで一杯になり、頭痛がしてきた。

「あまりに酷かったんで、家に連れて帰って来たら、」

「ストップ!ゴメン!こんな面倒くさい年増の相手にさせて、ホントゴメン!
犬に噛まれたとでも思って忘れて!」

頭の上で両手を合わせて深々と頭を下げながら謝る。

「何でそんな事言うんですか」

「え?」

置鮎の呟いた言葉が聞き取れなくて、顔を上げると能面のような置鮎が居た。