偽のモテ期にご注意を


「・・琥珀に行った事は覚えているんだけどそれ以外は・・・」

「酔って、マスターに絡んでたことも?俺に会った事も覚えてないんですか?」

「マスターに絡んだの?!」

自分の失態に顔を上げると先程より更に険しい顔の置鮎が居た。

「俺と会った事も覚えて無いんですね」

ため息と共に零された言葉に蒼白になる。

「ごめんなさい」

「いえ、もういいです。それより、シャワー浴びてきたらどうです」

「あ・・うん。でも、置鮎さん先にどうぞ」

「話が有るんで、俺がシャワー浴びてるうちに帰らないで下さいね」

「・・・えぇ」

置鮎がシャワーを浴びている隙に帰ろうとして居た事を言い当てられ、ドキリとした。

何も身に纏わないまま寝室を出て行く置鮎を見る事が出来ず、俯いたままやり過ごす。

「私、やらかしたみたい」