付き合っていた頃も連日残業で、土曜も出勤したりしていて日曜日には寝たいからと殆ど逢わなかった。
仕事が一段落して、連絡すると一月位逢っていなかった事に気付く。
そうするうちに、相手が離れていくのは当然で、何時も半年程で別れる。
そんな事を何度か繰り返すと、恋人と言うものに興味が無くなってしまい、気付けば何年も一人で居る。
『最後に彼氏居たのって何時だっけ?』
記憶を手繰り寄せてみると6年程前が最後だったように思うが、その辺も怪しい。
『枯れてるなぁ』
沢城は今年で30歳になるので、6年前は24歳、その時点から恋愛していないというとだ。
自分で思い返して驚いた。
『そう言えば後輩の三石(みついし)にも心配されてたような・・・』
美人なのに、気さくで仕事も出来る自慢の後輩の事を思い出す。
「それじゃぁ、そろそろ恋愛してもいい頃ですね」
置鮎の言葉に、一気に物思いから現実に引き戻された。
『モテる人は言う事が違うなぁ』
「置鮎さんって優しいですね」
ふふふっと笑った。

