別れ話だと思っていた話が、実は同棲のお願いだった事に最初は驚いたが、段々嬉しさが込み上げて来た。
「嬉しい。嬉しいです圭奈!ありがとうございます!!」
そう言って、圭奈の元までかけより、自分の腕の中に収め、その首筋に顔を埋める。
感極まって涙が零れてしまったので、暫く泣き止むまでその顔を見られないように腕の中に閉じ込めた。
多分圭奈もその事に気付いていて、何も言わずに背中をトントンと優しく叩いてくれた。
今まで、母に疎まれ、父に無視されても、感情が動く事なんて無かったのに、圭奈の言葉には強く感情を揺さぶられる。
どうしてかなんて理屈では全く分からない。
でも、ただ、圭奈が与えてくれる物は全てが暖かく、そして優しさに溢れている。
今まで誰にも貰った事の無いものばかりに戸惑いも多いが、嬉しさの方が上回っている。
色の無かった世界に鮮やかに色がついた様な、音の無かった世界に音が溢れているような、今までとは全く違った毎日が訪れる。

