温もりを感じて、ゆっくりと覚醒すると、辺りは薄暗かった。
温もりの正体を確認する為に頭を巡らせると胸の辺りに頭が見える。
段々と鮮明になった頭で現状を思い出す。
確か自分は前野に送られて自宅に帰ったはず。
ソファーに倒れこんだ所で記憶が途切れていたが、夢の中で圭奈の心配そうな顔を見た気がする。
『あれは、夢じゃなかった?』
そう考えれば、体の心地よい疲労感と、何も身に着けていない事に納得出来た。
「体調は大丈夫?」
自分の腕の中で心配する言葉が聞こえて来て、圭奈の目が覚めている事に気付いた。
「圭奈・・・えぇ、気分はとても良いですよ」
抱きしめる腕には大切な圭奈が居る。
それが自分にとってどれだけ幸せな事か、圭奈は知らないのだろう。

