偽のモテ期にご注意を


その姿を見て、少し冷静さを取り戻し、手に持っていたブランケットをかける事が出来た。

顔にかかった髪をそっと手で退かすと、目の下の隈が目立つ。

ここの所お互い忙しくて、ろくに会えていなかった所為で、こんなにも体調を崩してしまったことに気付かなかった。

あの日お互いボロボロの体だったが、幸せをかみ締めて抱き合った、次の日まともに起きれない程の疲労だったが、幸せな気持ちで一杯だった。

なのに、今自分の目の前には、疲れきって泥のように眠る置鮎の姿がある。

『こんなになるまで気付けないなんて・・・。ダメね』

置鮎の姿を見ていると、胸が締め付けられてきて、目頭が熱くなる。

慌てて立ち上がり、キッチンに向った。

『ダメダメ、泣いてる場合じゃないわ』

両手で頬をパチンと叩いて気合を入れる。