「着いたぞ」
声をかけるとゆっくりと瞼が上がって、眠そうな顔がこちらを見る。
「・・・」
何か言おうとしてるんだろうな、頭回って無いから言えないんだろう。
こういう時の顔は出会った頃のままだな。
「部屋まで送ってやるから、鍵を貸せ」
「・・自分で・・」
「無理だろ。なんなら、担いで行ってやろうか?」
ニヤニヤ笑うと、また嫌そうな顔をしてしぶしぶカードキーをよこした。
車から降りると多少ふらつく足取りではあるが、何とか自分の足で部屋まで歩い行く。
部屋まで送ると扉の前で追い返されたのは、恥ずかしかったからか・・・。

