勿論そんなものは端から断っていたのに、外堀を固められて一度だけ会うことになったが、間の悪い事にそこに今の彼女が居合わせたらしい。
それ以来距離を置かれ、最終的には別れ話になったんだが・・・。
今、目の前で綺麗な所作で女性のような食事の量を食べるこの男・・・。
あの時は見ていられない程だったな。
「なんです?俺の顔に何かついていますか?」
あまりに不躾に見ていたら、怪訝な顔で見返されてしまった。
「いや、しっかり食べろよ」
「・・・それは難しいですね」
食に感心が無い・・・いやもっと言うと、仕事以外に感心が無いから、放っておくと寝食を忘れるんだった。
「沢城さんに報告するぞ」
「!・・・善処します」
一瞬驚き固まった後、何とかそう言ったが・・・何処まで善処してくれるのやら。

