『本当はちょっと無口で、喜怒哀楽が乏しくて、表情筋が固まってる・・っと言い過ぎたか
まぁ人との接し方を教えて貰っていないだけなんだがな』
よく、コイツに彼女が出来たもんだと今更ながらに感心する。
社長室を出ると、俺も口調を戻し置鮎の後ろを歩く。
秘書課に昼休憩を伝えてからエレベータに向うと、丁度エレベータのドアが開き、乗り込む。
置鮎が一緒に働かないかと言われた時は驚いたが、今となってはコイツの面倒をみられるのは俺くらいだと思うようになった。
食の細くなった置鮎の為に、うどんの美味い店に入る。
見た目だけは抜群にいいから、男女問わず視線を釘付けにしているが、本人は気付いていないようだ。
ただ、空いている席に座り、メニュー表を眺めている。
そんな置鮎にならって、俺もメニュー表を開いてメニューを見る。
店に入ってから殆ど会話が無いが、俺たちにとってはこれが通常運転。
仕事は順調で事業拡大も目まぐるしい。
お陰で社会的知名度も鰻上りだが、そのせいで、今まで見向きもしなかったコイツの父親が、いきなり見合い話を持って来だした。

