小学校に上がるまで、家から外に出た事が無く、小学校に入る時には遠方の全寮制の学校に入れられたそうだ。
(後で聞くと、本人もその方が気が楽だったらしく、小学校から一度も家に帰らなかったそうだ。)
俺はと言うと、中学で問題ばかり起こしていた所為で、親に全寮制の学校に入れられただけなのだが。
「置鮎、そろそろ休憩しろ」
「・・・後少し」
「それは1時間前に聞いた」
書類から一度も目を離さず答える置鮎は、1時を過ぎても席を立たずに仕事を続けている。
放っておくと1日食事をしない事も多々あるので、俺が面倒を見ている訳だが・・・。
一向に休む気配の無い置鮎に痺れを切らして立ち上がると、無理やり仕事を止めさせる。
「はぁ・・本当にもう少しだったんですが」
残念そうにため息をつくが、これは2人きりの時だけしかしない。
なので、社内では「鉄面皮」「氷の王子」「冷徹社長」とか言われている。

