「もう、ここに来る事は無いんだな・・・お前も、俺も」 圭奈の部屋を見渡し、感慨深げにそういう。 「そうね。でも、暫くは慰めてあげるわ」 「その顔じゃ傷も癒えねぇよ」 力なく笑って部屋を出て行った。 「ねぇさんを好きになるなんて、見る目があるわね。それに、一途だし。 残念だけど、傷の塞がる暇(いとま)は無いわね」 松本を送り出した後、悪巧みを思いついた顔をする恵の姿がそこにあった。