「なん・・だ?」
「ほんと、仕事は出来るみたいだけどヘタレよね」
「本気だと、慎重になるんだ」
空になったビールの缶をテーブルに置き、次のビールを手に取る。
「つまみ食いしてるから、横から攫われるのよ」
飲もうとしていたビールを奪って、喉に流し込む恵をぼうっと見る。
入社当時から圭奈の事が好きだったが、その時はお互いに相手が居たので付き合うことは無かった。
その後、タイミングが合わずに数年が経ち、仕事の忙しさで圭奈に彼氏が出来なかった事に安心していたのが不味かったのだ。
後輩の後押しに乗って付き合う算段をした時には、遅かった。
いや、後から知ったが、その所為で置鮎と付き合う事になったのだ。
本当に悔やまれる。
はぁと盛大にため息をついてそっぽを向いてしまう松本。

