「婚約は破棄しました。まぁ、元々父が勝手に決めた事だったので、俺には関係無いですが」
話ながら、圭奈を抱き起こして、腕の中に収める。
「それと、セフレだなんて言ってすみませんでした」
ビクリと体が跳ね、体が震える。
「違うんです。その、セフレだなんて一度も思った事は無いんです」
「え?」
言われた言葉が理解できず、置鮎の顔を見た。
「初めての夜の事を、圭奈が忘れてたから・・・悔しくて・・・すみません」
苦しそうな今にも泣き出しそうなのを堪えるように微かに震えている。
「嘘、だったの?」
「すみません!俺の心無い一言で圭奈を苦しめてしまって」
「諦め無くて・・良いの?」
「!・・・諦めないで下さい!」
搾り出すような声と同時により一層強く抱きしめられたので、圭奈も抱きしめ返す。

