「忘れないで下さい」 「!?」 背後から声が聞こえてビクリと体が跳ねる。 「昨日の事、覚えていますか?」 夢で聞いたのと同じ、置鮎の声に息が詰まって、声が出せない。 『振り向いたら・・消えるんじゃ・・』 怖くなって目を瞑って体を硬くしていると、ベッドがギシリと軋んだ。 「俺の顔、もう見たく無いですか?」 その声に、恐る恐る目を開け、声のする方を見る。 「ゆ・め?」 「夢にしないで下さい」 少し切なそうな顔で笑う。 「でも・・」 感情が高ぶって、また涙が零れる。