偽のモテ期にご注意を


「何を飲まれます?」

「あ・・じゃぁバラライカを・・・」

慌てたせいでさっき頼んだ強めのお酒を口にしてしまった。

「スッキリしたお酒がお好きなんですね」

「え・・あぁ、そうですね」

折角こんなに近くで話せる機会なのに、緊張と酔いのせいで頭がまわらない。

ふわふわとして気持ちは良いが、段々と眠気まで訪れてしまう。

何か話しかけられている事に、相槌をうっているのに、会話が全く耳に入ってこない。

『あぁ・・ダメ・・だ』

「沢城さん?」

体がグラリと傾き、置鮎にもたれ掛かってしまうが、自分ではどうしようもなかった。

「ごめ・・なさい。眠くて・・。帰ら・・ない・・と」

そこで記憶が途切れてしまった。