クリーム色の軽自動車からスーツケースを下ろすと、見送りに恵子も車を降りてきてくれた。


「おばさん」


綾は勢いよく頭を下げると


「ありがとうございました!」


と大声で言った。



恵子は驚いた表情を浮かべたけど、すぐに「また来てね」と言う。



「今度はお手伝いします。お料理も覚えたいです」


綾はそう言って、駅の改札をくぐった。