小さな田舎町で、平日の昼間に町の図書館にいる綾は目立つ。


好奇の視線が居心地が悪く、綾は2階のコミュニティルームへ向かった。


広さが様々なコミュニティルームは全5部屋あり、一階の図書館の本を持ち込んで観覧したり、そのまま勉強をしたりできる。


一部屋ずつ部屋を除いていくと、新聞を読んでいる人がいたり、生け花教室をしていたり、各部屋には人がいたが、一番小さな「自習室E」が空いていた。

綾はそこに入った。


白い長机を二つ重ねて大きなテーブルのようになっていて、その周りを椅子が6脚囲んでいる。


ホッとした綾はショルダーバッグをテーブルに置いて、文庫本と大学ノートを取り出した。