「小説書けたら読ませてよ。俺綾の小説読むの楽しみにしてんの」


リョウはそう言うと、「じゃあね」と言って石段を駆け下りていった。


リョウの白い背中が見えなくなった時、綾はリョウに小説の話をしていないことに気が付いた。