お昼ご飯の素麺を食べると、恵子おばさんは「夜は豪華だからね」と綾に耳打ちした。


綾はショルダーカバンに大学ノートとペン入れと文庫本を3冊いれて、恵子に案内されて町役場に来た。


3年前に建て替えられたばかりという建物は真新しく、エントランスは天井が吹き抜けになっている。


綾は恵子に併設された図書館に案内される。


平日の図書館は何人か人はいるものの、綾と同い年の子供はいなかった。


本来まだ授業中だから当然である。


「役場の仕事が終わったらここちお父さんが迎えにくるからね」


そう言って恵子が去ると、綾はやっとホッとした。