恵子おばさんの家は、築80年の大きな一軒家だった。


玄関の引き戸を開けるとすぐ階段があり、広い廊下が奥に続いている。


「綾ちゃんの部屋は2階。階段上がってすぐ右の部屋を使って。荷物置いてきてね。すぐご飯にしましょう」


ピンクのスーツケースを持って2階に上がるとまた長い廊下。言われた通りに手前の部屋に入ると8畳の畳の部屋があった。


広々とした部屋に置かれているのはタンスだけ。

部屋の隅に布団が畳まれていた。


駅にいたあの男の子、学校どうしたんだろ。


綾は気がつくとそのことを考えていた。