「綾のそれ一口ちょうだい」


アイスティーのペットボトルを指差してリョウが言う。


綾がなんと答えていいか分からずまごついていると、リョウは綾の手からペットボトルを取った。


蓋を開けて飲み口を躊躇なく口に運ぶ。


間接キスだ…


綾は恥ずかしくて目を逸らしてしまった。


「うめー!!!」


リョウはさっきと同じように、目を閉じて叫んだ。


「綾はさ、夢とかやりたい事とかあるの?」


唐突にリョウが聞いた。


「え…」


綾は言葉につまる。


小説家…


それが綾の夢だった。