一人になりたい綾の気持ちとは裏腹に、少年は椅子に座ると図鑑を広げて読みだした。
「読まないの?」
少年が促すので、綾は渋々椅子に座り直して持参した文庫本をカバンから取り出した。
少年にタイトルが見えないよう、机の下で本を開く。
しばらく、少年が本をめくる音だけが部屋に響く。
綾は全然集中できなかった。
ただでさえ人がいると緊張するのに、知らない男子と密室で二人きりなんて初めてだ。
かといって、部屋を出て大人の視線に晒されるのも居心地が悪い。
そういえば、と綾は思う。
なんで彼は平日の昼間にここにいるんだろう。
もしかして私と同じ不登校なのかな。
とてもそうは見えないけど…
そう思ってちらりと少年を見ると、バッチリ目が合ってしまった。
「読まないの?」
少年が促すので、綾は渋々椅子に座り直して持参した文庫本をカバンから取り出した。
少年にタイトルが見えないよう、机の下で本を開く。
しばらく、少年が本をめくる音だけが部屋に響く。
綾は全然集中できなかった。
ただでさえ人がいると緊張するのに、知らない男子と密室で二人きりなんて初めてだ。
かといって、部屋を出て大人の視線に晒されるのも居心地が悪い。
そういえば、と綾は思う。
なんで彼は平日の昼間にここにいるんだろう。
もしかして私と同じ不登校なのかな。
とてもそうは見えないけど…
そう思ってちらりと少年を見ると、バッチリ目が合ってしまった。


