年が明け


時々寝込みつつも、隊務をこなすのに支障がないほどに回復した沖田が、巡察終了後に1人、壬生寺に立ち寄った


穏やかな時に目を閉じる


近藤に見初められた日の事
試衛館に入った日の事
京に来て、仲間の支えがあり
今の自分があることをしみじみ感じ

それに気づかせてくれたのは、光


こんなにも大きな存在は、他にない



「光…」



ぽつりと名を口にする






「はい」






パッと目を開け、返事をした人物を確認




「光」

「はい」




目の前には、女中をしていた時の着物で凛と立ち、微笑む光の姿



「起きてても、夢って…見んのか?」

小首を傾げた光が

「見ないと想いますよ?」