「夢を見たんだ
近藤さんから、あの子の名前聞いたからかな」

穏やかに微笑む沖田の前にお膳を置く


「新選組に戻って来たんだ
ここじゃなくて、前の屯所だったけど
男装じゃなく、出会った頃のように
普通の女の子だった」

相槌を打つことなく、夢の話を聞く


「土方さん…」


土方には、沖田が何を言い出すか
予想出来た


「今夜は、無理だ
明日、行ってみよう」

「はい!」


元気いっぱいの返事は、とても病で寝込んでいるように想えなかった


以前、光が熱を出した時
家に帰りたいと言った時と
先ほどの沖田が重なった


いるはずがない


なのに、連れ出して体調不良を悪化させかねない