ワクワクしながら、宙斗くんの手元を見つめる。そんな私の視線に気づいた宙斗くんが、スケッチブックに目を向けたまま口を開いた。

「次はリボンに、パワーストーン的なアクセントをつけようかと思ってるんだよ」

 サッサッと鉛筆を動かして、宙斗くんはリボンの端に雫のような形のパワーストーンを描く。

「お守りみたいに使えていいね!」

「ここのさ、パワーストーンの形をハートとか、星とか、色々レパートリーを増やそうかなって」

 アクセサリーの話をするとき、宙斗くんの目はキラキラと輝く。本当に好きなことをしているときって、人は生き生きとした顔をするんだな。きみを見ているだけで、私もなんだか楽しいや。

 私は波の音を遠くに聞きながら、しばらく宙斗くんのデザインを眺めていた。それから、どれくらいの時間が経っただろう。

 なんだか、暑くなってきたかも……。

 私はパタパタと手で顔を扇いでみたのだが、熱さは変わらない。仕方ないので肌を見せるのは嫌だっだが、思い切ってパーカーを脱いだ。それに、宙斗くんから水着の感想がほしかったというのもある。

 もぞもぞと動いている私に気づいてか、彼は私のほうを見る。その瞬間に、顔が固まるのがわかった。

「あの、暑くて……」

「…………」

 言い訳じみた言い方をした私の言葉は耳に届いていないのか、彼は絶句している。